うさぎの主食はニンジン…ではありません。キャラクターなどの影響で、「うさぎはニンジンが大好き!」と一般的に思われがちですが、実はそうじゃないんです。うさぎにとって主食とも言える食べ物はずばり、牧草です。
あまりうさぎのことを知らない人にとっては、一言で牧草と言われても、今一つイメージが湧きませんよね。これからうさぎを飼おうと思っている人は、絶対に知っておきたい、牧草の種類とその効果、与える理由についてまとめてみたいと思います。
目次
うさぎの牧草には、イネ科・マメ科の2種類があります。それぞれ、メジャーなものからレアなものまで数十種類にも及びます。
有名なものとしては、イネ科代表チモシー、マメ科代表アルファルファがよく売られています。それぞれの特徴は以下の通り。
チモシー(イネ科) | アルファルファ(マメ科) | |
栄養価 | 低カロリー 低カルシウム 低タンパク 繊維質豊富 |
高カロリー 高カルシウム 高タンパク |
嗜好性 | 低い | 高い |
見ての通り、カロリーなどの栄養価が高く、多くのうさぎにとっておいしいのがアルファルファ、カロリーが低く味もそうでもない(のかなと勝手に私は思っている)のがチモシーです。
では、イネ科のチモシーかマメ科のアルファルファ、どちらを与えればよいのでしょうか。
アルファルファは、栄養価が高いので成長期のうさぎに向いています。生後6か月くらいまではアルファルファを中心に与えていてOK。また、妊娠中のうさぎも栄養をたくさん必要とするため、アルファルファが向いています。
一方、大人のうさぎにとって、アルファルファの栄養価は高すぎます。成長期を終えてからもアルファルファばかりを与えていると、肥満の原因になります。また、カルシウムの摂りすぎで尿路結石になったり、アルファルファは発酵しやすいためお腹にガスが溜まって鼓腸病を引き起こしたりすることもあるため、与えすぎはNGです。大人のうさぎの主食には、イネ科のチモシーを与えるようにしましょう。
チモシーは、刈り取りの時期によって3種類に分かれています。早い時期に刈り取ったものから、「一番刈り」「二番刈り」「三番刈り」と呼ばれています。
硬く栄養価が高いのが一番刈り、柔らかくて嗜好性が高いのが三番刈りです。うさぎが積極的に食べてくれるのであれば、一番刈りのチモシーが、最も健康的な主食となります。
ところが、いざ一番刈りのチモシーを与えようと思っても、硬くて嗜好性が低いため、うさぎはあまり喜ばないかもしれません。それどころか、アルファルファを食べて大きくなったうさぎの中には、チモシーを全く食べなくなってしまう子もいます。そうならないためには、小さい頃から、アルファルファに混ぜてチモシーも入れてやることが大切です。
いきなり食べ物が変わると、うさぎは警戒してしまいます。6か月が過ぎたからといって急にチモシーに替えてしまうのではなく、量を調整しながらチモシーへと以降していくのが一番おすすめの方法です。
それでもやっぱりチモシーを食べてくれない!という子は、メーカーによっていろんなタイプも出ているので、自分のペットに合った牧草を見つけてあげてくださいね。チモシー以外のイネ科の牧草を混ぜて与えてみるのもおすすめです。
(参考)【チモシー以外のイネ科牧草】
オーツヘイ | えん麦の牧草。茎や葉は高繊維質でヘルシーだが、種の部分はカロリーが高いので肥満気味の子は与えすぎNG。 |
オーチャードグラス | チモシーよりも柔らかいので、硬いチモシーが嫌いな子におすすめ。 |
イタリアンライグラス | 甘みのある牧草。嗜好性が高いので、チモシーと混ぜながら与えるのがおすすめ。 |
クレイングラス | チモシーよりも高繊維質、低カルシウム、低カロリーな牧草。ダイエット中のうさぎにおすすめ。 |
そもそも、うさぎにとって牧草を食べることは、なぜ大事なのでしょうか。理由は大きく分けて3つあります。
野生のうさぎは、ペットうさぎよりもたくさん咀嚼を繰り返しています。そのため、うさぎの歯はいつも削られ、伸び続けています。
ペットうさぎがおやつやペレットのみで生活した場合、野生のうさぎに比べて、咀嚼の機会が大幅に減ります。すると、歯は削られないのに、伸び続けるだけ伸びてしまい、不正咬合を起こしてしまいます。常に歯をすり減らすために、牧草を噛み続ける必要があるのです。
牧草には、お腹の調子をよくする働きがあります。
腸内のpHを酸性に保ち、悪い細菌の増殖を抑えたり、繊維質を補うことで、胃腸の動きをよくしています。うさぎにとって大切な繊維質は、不足すると腸炎(下痢・食欲不振)や毛球症を引き起こす原因にもなります。
うさぎの健康維持のためには、牧草は不可欠なんです。
うさぎにとって、噛むことは実は遊びのようなもの。確かに、齧り木をガジガジ噛むときはとっても楽しそう。牧草を咀嚼すること自体が、うさぎのストレス発散にもつながります。
たくさん牧草を食べるうさぎは、毛ヅヤもよく目も輝いて元気いっぱいです。
うさぎにとって牧草は、何よりも大事な主食です。
甘いくだものや野菜もおやつとしてはOK。けれども、甘いものばかり与えていては基本の牧草を食べなくなってしまうこともあります。与えすぎはNGです。
飼い主が正しい知識をしっかりと持って、たっぷりの牧草を食べる健康的なうさぎさんになるよう心がけたいですね☆