毎年1月、京都の三十三間堂では、江戸時代から伝わる「通し矢」にちなんだ大的大会が行われます。
華やかな晴れ着姿の新成人が弓道の技を競い合う大会。賑やかな会場は、お祭りのようなムードに包まれます。三十三間堂自体にも見どころはたくさん。一年に一度しかない「大的大会」の日なら、さらに楽しめること間違いなしですよ。
我が家も知り合いが出場していたこともあり、数年前に一度、訪れました。その時のレポも交えつつ、三十三間堂の大的大会についてご紹介します☆
目次
■所在地
京都市東山区三十三間堂廻り町657
■TEL
075-561-0467
■開門時間
8:00~17:00(11月16日~3月は9:00~16:00)
※年中無休、受付終了は30分前
■アクセス
・京阪電車「七条駅」より徒歩5分
・京都駅より市バス100・206・208系統で10分、「博物館三十三間堂前」バス停下車
・駐車場あり(50台)
■拝観料
大人600円
子ども300円
まずは、三十三間堂についてご紹介します。三十三間堂とは、京都東山区にある正式名称「蓮華王院」にある本堂のことです。三十三間堂は、南北に建てられた細長い建物で、お堂内陣の柱間が33もあるのが特徴的です。この33という数字は、観音菩薩の三十三の変化身に基づく数なのだとか。
お堂の長さは120メートルもあり、お堂の端に立って反対側を眺めると、突き抜けるような真っ直ぐの廊下に驚きます。
三十三間堂の仏像は、圧巻です。これだけでも見る価値は十分。中へ入ると、前後10列の檀上に、1000体もの観音像がずらりと並んでいます。三十三間堂ならではのこの光景は、ぜひ一度見ておきたいところです。一体一体の存在感と、その数に圧倒されますよ。
観音像の中には必ず、自分にとっての会いたい人に似た像があるとも伝えられているそうです。一体一体をじっくり見ていくと、気付きがあるかもしれません。
1000体の仏像の中心には、国宝千手観音坐像が安置されています。鎌倉時代の大仏師湛慶(たんけい)による代表的作品です。
通し矢とは、三十三間堂の西側軒下120メートルの距離を、南から北に矢を射通す競技です。古くから伝わる弓術の一種で、その起源は明らかにされていませんが、室町時代からの歴史があるとも言われています。
江戸時代前期に最盛期となり、諸藩が名誉をかけて競い合うようになりました。記録に残っているのは、慶長11年(1606年)の朝岡平兵衛という武士で、この年の1月19日に、100本中51本を射通したことで、天下一の名を残しているそうです。
現在も、三十三間堂では毎年1月に、「大的大会」という弓道の大会が行われます。この大会は、江戸時代の通し矢とルールは異なりますが、歴史ある通し矢にちなんだ大会で、全国から集まった、約2000人もの新成人や称号者が弓道の技を競います。
開催は、毎年1月中旬の日曜日。華やかな晴れ着姿の新成人がずらりと並び、60メートル先の的を目がけて矢を放ちます。
大的大会の開催時間は、9:00~15:30とされていますが、参加する人数によって、タイムスケジュールは変わるようです。
私が2014年に訪れた時は、10時半くらいから女子の予選が始まりました。
ちなみに、境内は無料公開されるので、誰でも気軽に見に行くことができます。屋台なども出ていて、お祭りムードでしたよ。
成人女子の予選は、華やかな晴れ着姿を一目見ようと多くの人が集まります。我が家は10時前くらいに会場に着いたのですが、その頃には観覧場は人で埋め尽くされていました。人ごみの後ろからは、身長164㎝の私が背伸びをしてギリギリ見えるか見えないかというところ。
前の方で観たいのであれば、かなり早い時間帯から場所を確保しておいた方がよさそうです。幸い、私たちは前にいた人が出たところを狙って少し中へ入れたので、ギリギリ写真は撮ることができました。
が、あまりにも窮屈だったので、すぐに退散。知り合いが出場する場合などは、見逃さないように、前もって何番目に出てくるかということを確認しておくことをおすすめします。
【通し矢(大的大会)】
■開催日時
2016年1月17日(日)
9:00~15:30
「楊枝のお加持(やなぎのおかじ)」も同日に開催予定です。観音様に祈願した法水を、楊枝(やなぎ)で参拝者に注いで、諸病を除くという法要。特に頭痛に効くそうですよ。
京都ならではの「通し矢(大的大会)」は、他ではなかなか観る機会のない弓道を間近で観ることができる珍しい大会です。
矢を放つたび「パアン!」と響く音や、矢を射る人の立ち振る舞いが素敵で、見入ってしまいますよ。弓道に馴染のない人でも、見応えは十分!
お正月・成人式の京都の風物詩「大的大会」に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか☆