岐阜県にある世界文化遺産「白川郷」は、合掌造り集落がよく知られています。
一度は訪れてみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
白川郷へ行くなら、冬がおすすめです。見るからに寒そうな雪の降り積もる集落ですが、冬こそ訪れるべき理由があるんです。まだ行ったことがないけれど、行ってみたいなと思っている方へ、白川郷の冬の魅力をご紹介します。
目次
白川郷の見どころを押さえる前に、そもそも「白川郷」とは何を指すかご存知でしょうか。白川郷とは、岐阜県に流れる庄川流域の呼称です。
白川郷の荻野地区は、合掌造りの集落で知られており、1995年に五箇山(赤尾谷、上梨谷、下梨谷、小谷、利賀谷の5つの谷間)と共に世界文化遺産に登録されました。
合掌造りとは、急こう配で茅葺の屋根が特徴的な日本の住宅建築様式の一つです。
<屋根>
屋根は木材を梁(はり)の上に山形に組み合わせて建築されていて、屋根のてっぺんの部分から組まれた木を、縄で縛って固定しています。よく見ると、屋根の部分に、釘が一本も使われていないのが分かります。これは、雪の重さや風の強さに対して、耐久性をよくするための工夫です。
また、白川郷の建築は、「切妻合掌造り」といわれる様式で作られ、屋根の両端が三角形になっています。合掌造りの中でも特に、積雪が多く雪質が重いこの地に合わせた作りになっているのです。
<屋根裏部屋>
屋根が急勾配であるということは、その分の空間を使って、屋根裏部屋を広く作ることができます。合掌造りの住宅は、屋根裏が有効的に使われているのも特徴的。昔から産業の基盤であった蚕業のための作業場として利用されていました。
屋根裏には、二層、三層と空間が確保されていて、中へ入ると、予想以上に広くてびっくりします。現在は、民族博物館のような展示がされているところもあります。
<方角>
合掌造りの家は、全て同じ南北に向いて建てられています。これは、白川の地の風向きと日当たりを考慮し、できるだけ寒さの影響を和らげるための工夫です。風の影響を最小限に抑え、夏涼しく、冬は保温されるように作られています。
白川郷に行くなら、季節はずばり冬がおすすめです。理由は3つあります。
1つ目の理由は単純に、雪景色が美しいこと。合掌造りの家々に降り積もる雪と、ひっそりとした集落の姿は、まるで一枚の絵のように美しい景色です。
一面の雪と合掌造りをバックに写真を撮れば、素敵な一枚に仕上がりますよ。
白川郷の冬は、期間限定でライトアップされます。夜の白川郷のライトアップはとっても幻想的。運が良ければ、田んぼにきれいに逆さに移った合掌造りも見ることができます。ライトアップされるのは1年を通して、冬の7日間のみ!人気なので、早めのツアー予約は必須です☆
【2016年ライトアップ開催予定】
第1回 | 1月16日(土) |
第2回 | 1月23日(土) |
第3回 | 1月24日(日) |
第4回 | 1月30日(土) |
第5回 | 1月31日(日) |
第6回 | 2月7日(日) |
第7回 | 2月14日(日) |
白川郷の合掌造り集落に施された工夫を肌で感じるためには、やはり身をもって激しい積雪を体験するに越したことはありません。
私は2014年にこの地を訪れましたが、天気は大雪。かなりの積雪でした。寒さと雪の多さに驚きましたが、自然と共に生きる生活を肌で感じることができました。
実際に急勾配の屋根から雪が落ちる様子を見て驚いたり、重い雪に耐える頑丈な家の作りに関心したり…直に見ることで、合掌造りの工夫をよく理解できると思います。
合掌造りの集落は、一般に公開してくださっているところもあります。
合掌造りの外観を見学できるだけでなく、実際に中にお邪魔して見せていただけます。こちらの写真は「長瀬家」の屋根裏の様子。民族博物館のような展示を見ることができました。
【和田家(国指定重要文化財)】
築後約300年が経過した今も生活が営まれ続けています。
・公開時間
9:00~17:00
・料金
大人300円
子ども150円
【神田家】
自家製の野草茶をいただきながら、神田家の特徴などを教えてもらえます。
・公開時間
9:00~17:00
・休館日
12月~2月は毎週水曜日
年末年始12月25日・26日、1月7日8日
・料金
大人300円
子ども150円
【長瀬家】
5階建ての合掌造り。囲炉裏の火で温まりながら、いろいろなお話を聞くことができます。
・公開時間
9:00~17:00
・休館日
不定休
・料金
大人300円
子ども150円
家の中で、そこに暮らす人々と交流をしたり、合掌造りや人々の暮らしについて話を聞いたりすることができます。お話を聞いたり、中を見学するにつれて、白川郷の人々の生活の様子も少しずつ理解が深まっていきます。
いかがでしたか?
白川郷の冬は、雪景色やライトアップの幻想的な空間が広がります。
景観を楽しむことに加えて、冬にこそ、そこに住んでいる人々の知恵や、合掌造りに施された工夫を、より知ることができるはずです。冬の極寒と共に生きる人々の生活に触れ、日本文化を深く味わえるのが何よりの魅力だと思います。
冬の白川郷へ、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。