2016年、桜が見ごろを迎えた週末の関東は、今一つお天気に恵まれませんでした。今年満開の桜をまだ見てない!という人におすすめの遅咲きの桜が、京都「仁和寺(にんなじ)」にあります。
全国的にも珍しい「御室桜(おむろざくら)」と、仁和寺をじっくり参拝する方法をご紹介します。これからお花見を予定している人は参考にしてみてくださいね。
目次
■所在地
京都府京都市右京区御室大内33
■TEL
075-461-1155
■拝観時間
3~11月 9:00~17:00
12月~2月 9:00~16:30
※最終受付は30分前まで
■拝観料
大人 500円
中学生以下 300円
■アクセス
(電車の場合)
JR嵯峨野線「花園」駅より徒歩15分
嵐電(京福電鉄)北野泉「御室仁和寺」駅より徒歩2分
(バスの場合)
京都市バス10・26・59系統「御室仁和寺」より徒歩すぐ
仁和寺は、仁和2年(886年)から続く歴史あるお寺です。
当時の天皇であった光孝天皇の発願によって建てられ、宇多天皇によって引き継がれ完成しました。宇多天皇が出家し仁和寺の住職となって以降、平安時代から鎌倉時代にかけて、皇室出身者が代々の後継者となる格式高いお寺でした。
その後、応仁の乱の際にほとんどを焼失してしまった仁和寺は、江戸時代より復興し、再建されました。
現在、仁和寺は真言宗御室派の総本山となり、1994年には、ユネスコの「世界遺産」に登録されています。春には、全国的にも珍しい遅咲きの桜「御室桜」が花を咲かせ、多くの人で賑わいます。知る人ぞ知る、京都の桜の名所となっています。
仁和寺に訪れるなら、ぜひ春の御室桜を一目見たいところ。御室桜は、とっても特徴のある桜なんです。約200本の桜の林は素晴らしいですよ。
御室桜とは、私たちがよく見る桜に比べて背丈の低い桜です。境内にある御室桜の林には、背丈の低い桜が咲き乱れ、中を歩いて行くと、たくさんの桜の花に囲まれます。頭上を桜が覆う桜のトンネルは、いろいろな場所で見かけることがありますが、足元から自分の目線まで全てが花に囲まれる感覚は珍しく、背丈の低い桜の何とも言えない可愛らしさを感じます。
これは、仁和寺の土壌によるものだということが最近分かってきたそうです。粘土質の土壌のため、桜が根を伸ばせないことから背丈の低い桜になるのではないかとのこと。けれども、なぜ背丈の低い桜になるかということは、まだ解明されていない部分もあるそうです。不思議ですね。
御室桜は、京都で一番遅い見頃を迎える桜としても有名です。
毎年、4月中旬から下旬にかけて見頃を迎えるため、お花見シーズンを逃してしまった人にもおすすめです。2016年は第3週目あたりが見頃ではないかとのことです。
今年はまだ桜を堪能していない!という人は、ぜひ出かけてみてくださいね。
御室桜以外にも、仁和寺のお参りの仕方はいろいろあります。じっくり参拝したいという人には、世界遺産に泊まれる宿坊や、御室八十八か所霊場がおすすめです。
御室仁和寺では、事前に申込みをすれば「御室会館」という宿坊に宿泊することができます。
宿坊に宿泊すれば、国宝金堂の中で毎朝行われる「朝のお勤め」に参加できます。金堂は普段非公開の場所。宿坊に泊まっている人だけ特別に、入ることができるんです。
朝のお勤めでは、読経に耳を傾けながら、ロウソクの火のもとで静かに祈りを捧げます。法話もきくことができるそうですよ。
予約については、仁和寺公式HPより確認して、電話で問い合わせてみてくださいね。
「八十八か所」といえば四国八十八か所を思い浮かべる人も多いはず。
仁和寺にある御室八十八か所は、仁和寺の裏山にある札所を巡りながら、四国八十八か所を巡ることのできる巡拝コースなんです。
四国までお参りすることは困難であった江戸時代、四国へ行けない人のために、各札所の砂を持ち帰り、仁和寺の裏山にその砂をまき、お堂が作られたと言われています。
御室八十八か所は、誰でも自由にお参りをすることができます。約2時間で巡ることのできるコースなので、参拝しやすいのが嬉しいですね。自然いっぱいの山の中を、広がる景色を楽しみながら、清々しい気持ちで歩くことができますよ。
定期的に「八十八か所ウォーク」というスタンプを押しながら歩けるイベントも開催しています。
【八十八か所ウォーク】
■開催日時(2016年)
5月8日(日)
6月5日(日)
9月4日(日)
10月2日(日)
11月6日(日)
※天候により中止の場合あり
■参加費
300円
いかがでしたか?
京都の世界遺産、仁和寺の御室桜をまだ見たことのない人は、ぜひ訪れてみてくださいね。宿坊に泊まったり、八十八か所霊場を巡ったりと、じっくり過ごしたい人にもぴったりのお寺ですよ。
京都の春のおでかけに、訪れてみてはいかがでしょうか。